2月2日にEテレ『SWITCHインタビュー達人たち』のゲストが、糸井さんと芦田愛菜ちゃんでした。
まなちゃんの感情を糸井さんが言葉にして解釈していくやりとりが見事で、
糸井さんの話をちゃんと理解して、ちゃんと対談になってるまなちゃんも見事で、すごくいい時間でした。
その番組が終わったあと、糸井さんの『ボールのような言葉たち』をしっかり読み返してみました。
誰かの力に頼りたいときにランダムにぱっとひらいてみたりしています。
その中に書かれていた言葉。
見えないものとか、聞こえない声だとか、
あえて言ってないこととか、
うまく言えないままのこととか、
そういうことのほうが、
ずっと多いのだということを、
ぼくたちは忘れそうになる。
対談の中でも軸になっていたひとつの要素。
映画館や美術館を見て回ったあと、「どうだった??」と聞かれるのが昔からすごく苦手でした。
でも最近、「どうだった?」と友達に無意識に聞いてしまっている自分に気が付き、はっとしました。
言葉にすることはとても楽だけど、言葉にしたら消えちゃう気持ちがあることを、私はすっかり忘れていたように思います。
そんな風に慌ただしく過ごしている時間が重なると、相手の優しさや我慢に気がつけなくなったりして、
「自分ばっかりこんなにつらい」なんて感情が大きくなり、どんどん傲慢になってしまっている気がします。
ワインは、その味わいを言葉にしていく作業です。どんな色、どんな香り、どんな味・・・・。
だけど本当に心に響いた気持ちは、どうやっても言葉にできない。
でもどうにか伝えたいから、どうにか言葉にするけれど、どうにもこうにも腑に落ちない・・・・。
その言葉にならないところが一番伝えたいとこなのに、できない。
言葉にしてワインを説明していくことに追われて、
迷子になってた自分の気持が置いてけぼりになっているのを忘れてしまっていました。
そして。
このままじゃいけない、迷子になった気持ちに蓋をしたくないなぁ、という思いから、ワインにコメントをつける作業をはじめました。
1本1本のボトルに、個人的な思いを書いた紙をつけたりしています。
まだ始めたばかりで全然追いついていないんですけどね・・・汗汗汗
先日、その紙を読んでくださったとあるお客様から
「ワインの味もおいしかったけれど、一緒に入っていた紙に書かれていた言葉に感動して、それを伝えたかった」
とわざわざ足を運んでくださりました。
すごく、すごく嬉しかったです。
言葉にならない気持ちと付き合っていくのは、たまにとても面倒くさいけれど、それが一番肝心なとこなのかもしれないなぁ。
それが伝わった時、こんなにうれしい気持ちになれることも、すっかり忘れてしまっていました。
もっともっと丁寧に、自分の気持を掬っていきたいと思います。
糸井さん、まなちゃん、ありがとう!