月夜にワイン

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北海道に行ってきました~その③~

ドメーヌタカヒコで一日収穫作業をし終えると、もうすっかり夕暮れ。
15時をすぎると一気に気温が下がるため、寒さがだいぶ身に沁みます。さすが、試される大地・・・。

タカヒコさんを後にし、向かった先は、
ドメーヌアツシスズキさん
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待ち合わせの時間に遅れるー!!!と疾走。さむい。。。つらい。。。。

個人的な感想ではありますが、今年飲んだワインの中で最も衝撃を受けたのが
ドメーヌアツシスズキさんのトモ・ルージュとトモ・ブランKでした。
一言で表すなら「あたたかい」。
美味しさとともに人の手のぬくもりが伝わる、なんともあたたかい味わいが、ドメーヌアツシスズキさんのワインには感じられます。
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夕暮れ時で見にくい写真になってしまいました(;´・ω・)

ドメーヌアツシスズキは、鈴木淳之さんと奥様の友恵さんによる家族経営の小さなワイナリーです。
それまではドメーヌタカヒコの研修生だった淳之さん。
2015年がドメーヌとしては初リリースで、それまでは10Rワイナリーでの委託醸造でワインを作っていました。
「ミネラルが感じられるワインが好きですね。地域で言うなら、ジュラのワインを目指しています」
という淳之さん。
ジュラ地方はフランス東部、スイス国境に接するアルプス山麓に位置するワイン産地。
冬は寒く夏は涼しく、秋には霜の影響を受けることもあるという典型的な大陸性気候。
葡萄にとって好ましい環境であるこの地方では、アロマティックで酸味のあるワインが生まれます。

淳之さんのワインの特徴のひとつとして、
酸素との融合を絶妙なバランスで旨みへと変換させる感性の素晴らしさ、が際立っていると感じます。
誤解を恐れずに言うなら、ワインにとって天敵であるはずの「酸化」をも仲間に入れているようなイメージ。
そのバランスから生まれるワインは、飲み手に強烈なインパクトを残します。


”ドメーヌアツシスズキ”として

醸造について目を向けてみましょう。
ワイナリーに入ると、ドメーヌタカヒコさんで見たものと同じ発酵槽が置いてありました。
放り込んで自然発酵を待つために使うアレです。
前回リリースされたトモ・ルージュ2015は、
無化学農薬、無化学肥料で管理した遅摘みのツヴァイゲルトを約30日間醸した後プレス。古樽にて12か月熟成しています。
タカヒコさんの醸造方法を基礎にして、しかし縛られることなく、
ドメーヌアツシスズキだからできる唯一無二のワイン造りが行われています。

その一つとして、
淳之さんは今年から、オープンの800Lの大きなバケツを仕込みに使用しています。
これはアルザスの大御所醸造家ジュリアンメイエから直接聞いた言葉、
「酸素を恐れてはいけない」に影響を受けたものだそうです。
酸素を怖がる必要があるのか、と考えオープンの発酵樽を使用することに決めたのだといいます。
このチャレンジがどのようなワインになるのか、楽しみでなりません!


ワインがつなぐ縁のおもしろさ


実は以前、トモ・ブランKをアルザスのクリスチャンビネールと一緒に飲む機会がありました。
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ボトルを見つけるクリスチャンビネールととワインに興味津々な姉のベアトリスさん。

様々な国産ワインを一緒に楽しんだ中で、特にクリスチャンビネールがお気に入りだったのが、このトモ・ブランKだったのです。

「このワインは、葡萄が育った場所の風景や土壌が目に浮かんでくるようだね。
テロワールを感じる、この土地でなければできないワインだね。僕はこういうワインが大好きだ。
こんなワインを日本では作っているの?!素晴らしいね!」

と言いながら、ボトルがすぐ空いていました。

クリスチャンビネールは1770年から無農薬を徹底する生粋の自然派の名門。
化学肥料がもてはやされた時代にもその波に乗ることなく無農薬による農業を一貫して行い、
アルザスのこの土地だからできる味わいを脈々と受け継いでいる素晴らしい作り手です。

淳之さんにこのことをお伝えしたら、
淳之さん自身、自然派にのめり込むきっかけとなったのがクリスチャンビネールのミュスカだったそう。
フランスと日本と場所は違っても、1本のワインで通じ合えるなんて素敵だなぁ(*'ω'*)

ドメーヌアツシスズキの生産本数はまだまだ少量ですが、
ファーストリリースから強烈な印象を残し、
淳之さんは若手醸造家の中でも1、2を争う実力派という声も聞かれるほどの存在となっています。
タカヒコさんと淳之さんのワイナリーはお隣さんなのに、ワインが与える印象がまるっきり違うというおもしろさ。
次のリリースも、心を込めて販売していきたいと思います!(^^)!


北海道に行ってきました~番外編~につづく!









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by wineID | 2017-11-01 21:29 | ワイナリー