月夜にワイン

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中央葡萄酒オープンカレッジへ

山梨・中央葡萄酒で行われた「グレイスワインオープンカレッジ 2018初夏」に行ってきました。b0016474_16090518.jpg

年に何度か、中央葡萄酒のワインを扱うレストランやホテル、酒屋さんを対象に開かれるこのセミナー。
栽培醸造責任者の三澤彩奈さん自ら、新ヴィンテージの特徴や土壌の個性について説明してくださいます。b0016474_16091081.jpg
写真はブドウの栽培方法について説明しているところ。
中央葡萄酒がつくる「甲州」は、山梨でよくみられる棚栽培ではなく「垣根栽培」を採用しています。
垣根栽培によりぶどうは小粒でバラ房に育つそうで、凝縮度の高いぶどうを収穫することにつながります。
この仕立てだと光合成が促進され、風通しもよいためブドウの病気を防ぐことにもつながります。
結果、収穫期に健康な状態でブドウが完熟するのを待つことにつながる、という好循環が生まれます。

発酵終了後のぶどうの澱と果汁を接触させ、ワインにうま味を与える「シュールリー」という醸造方法があります。
これは甲州種でワインを作る際に広く採用されている方法ですが、
中央葡萄酒ではこの製法を一切採用していません。(びっくり!)
その理由は、シュールリーをすることで味わいが均一的になってしまうことを避けるため。
畑で努力をすれば、醸造方法に頼らずとも葡萄のポテンシャルを最大限発揮できると彩奈さんは断言していました。
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今回のセミナーでは、甲州種の畑ごとの比較試飲に加えてそれぞれのワインに食材を合わせていきました。
このペアリングがとてもおもしろかったです!
”食事を通してその土地の風景をイメージする”ことが、このペアリングのねらい。

例えば、グレイス甲州×菜の花・リコッタチーズ・ごま(白和えのイメージ)
菜の花のにがみと、ぶどうの皮のニュアンス、後味の香ばしさとごまの風味がよく合っていました。

彩奈さんは日本の固有品種である甲州に誇りと愛着を持っていることが、その話の節々から伝わってきます。
「甲州は滋味深い品種だと思います」と話す彩奈さん。
今回菜の花を合わせたのは、甲州と同じように「滋味深さ」を感じる食材だったからという理由もあったのだそうです。
「小さいころ、父が、菜の花は千利休が愛でた花です、と教えてくれました。
 バラやひまわりを愛でたのではなく、菜の花を愛でていたところがいいですね。」
その彩奈さんの視点の持ち方に、改めて信頼のおける作り手だなぁ、と聞き入ってしまいました。
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菜の花と甲州が「やさしさ、滋味深さ」を接点につながり合った瞬間に、
飲み手はその甲州のもつイメージを、より深く、より広がりを持って理解することにつながることを知りました。
そして生産者の「こんなワインを届けたい」という気持ちにも、少し触れられるような気がしました。

とにかく天気がよくて、風が気持ちよくて、勉強になって、最高の1日でした。
フランス帰りで翌々日に山梨に行ったアクティブさに、我ながら拍手。笑

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by wineID | 2018-05-16 16:58 | ワイン