月夜にワイン

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思い出に残るワインのはなし。

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昨年改装した時に作ったこのメッセージボード。
フランスのワイナリーめぐりをした時に、生産者さんたちが書いてくれた言葉を転写してあります。
(店前にひっそりあるので、たぶんあまり気づかれてない・・。)
台風対策?とか言われることもあったり(笑)

先日、東京のとあるビストロに気の置けない人たちと出かけた時のこと。
ブラインドでワインを出していただき、どこのワインか、なんの品種か、じゃあどのワイナリー??
などなど、ワイン好きならではの飲み方で楽しんだ夜でした。

そこで出てきた1本の赤ワインが忘れられません。
香りをかいで驚き。お寺で感じられるような、お香の香りがグラスに満ち溢れていました。
「わぁ~~~~!」とみんなが同じように思い、そして飲み、美しい味わいに酔いしれた瞬間でした。

香りから推察すると、北海道のピノノワール?でも色の濃さを考えると違うよなぁ・・・
と、なかなか答えは出ません。でも分かっていることは、とにかく美味しいということ。

そして答え合わせ。

運ばれてきたのは、domaine des Bois Lucas Cabernet Franc 2008 でした。
「まじかよ・・・・」ときっとみんなが同じように思ったと思います。衝撃的でした。

ボワ・ルカは、私達の店名にも使わせていただいているとても大切なワイン。
ボワ・ルカといえばあの香り、あの味わい、という私の凝り固まったイメージを軽々と飛び越え、
10年以上経ってもなお、いきいきと存在するその味わいの美しさに、言葉が出ませんでした。
こういう感覚のワインに出会うのは、久しぶりだなぁ。

写真は、ボワ・ルカの順子さんが書いてくださったメッセージ。
その言葉を、そのお店からの帰り道何度も反芻していました。
「ボトルの中でずっと生き続ける。たくさんの人と会話することができる。」
その意味が、この夜すとんと腑に落ちました。とんでもない世界に気づいてしまった、とちょっと怖くもなりました。

「どんなワインだった?」と聞かれても、きっと上手には説明できないけれど、
この日感じた気持ちぜんぶを、わたしはずっと忘れないだろうなと思います。

お酒強くないし、もともとワインが好きでこの仕事をしているわけでもないし・・・
なんて言葉を、何かに行き詰まると口にしていたはずなのに、ワインの世界にどっぷり浸かっているではないか。
表面化しないように見てみぬふりしていたこの事実と、向き合わねばならぬ時が来たみたい。

今思い出しても、胸に熱いものがこみ上げてくる夜でした。ワインってすごい。



by wineID | 2019-02-25 12:16 | 日常のあれこれ