ルカワインでは、いわゆるナチュラルワインもそうでないワインも、ごっちゃにして並べています。
ワインの説明に「これは酸化防止剤ゼロです」と明記もしていないので、
そのエチケットのワインの背景を知らない限り、お客様は純粋に味わいのコメントだけで選んでいくということになります。
わたしは、それでいいんだと思っています。
売り手が「これは自然派です」「これは酸化防止剤ゼロです」と、
自然派と”不”自然派をあえて分けていく作業をする時期は、もう過ぎてるんじゃないかと思うからです。
最近では、自然派ワインの中でも細分化がすすむようになってきました。
その基準は、酸化防止剤の量だったり、ネガティブな要素がないとか、そういうところ。
こうやってもっと細かく分けていくことには限りがなくて、
レッテルを貼られるものとそうじゃないものの間の壁はどんどん高くなるばっかりです。
そして、一度出来上がった高い壁を壊すのは、容易なことではありません。
自分の口に合わないワインに出会った時、
それが「ナチュラルワインだから」と思うのではなく、「たまたまそのワインが合わなかった」と思ってもらえたら、
飲む方にとっても気持ちが楽になるのになぁ。。
と思うのは売り手が楽したいからかもしれないですね。ははは。
先日インポーターさんと話していたこれらのこと。
感覚ではなく数値や目に見える形でワインを分けるのは、怠惰の隠れ蓑になるんじゃないかって話。
「自分がどう思うか」から「みんながどう思うか」という評価基準は昔から日本にはあるけれど、
人気インフルエンサーの投稿につくコメントを読むにつけ、その基準がますます重要になってる人たちがいると感じます。
ワインだってそう。
インスタでよく見るから。人気だから。数が少ないから。
私は、今目の前にいるあなたがどう思うかを知りたいし、この1杯を囲んで話がしたい。
あの人が美味しいって言ってたから美味しいなんて、意味わからないこと言わないでほしい。
酸化防止剤が少ないから自分には合ってる気がするなんて、無理に世間の流れに合わせなくたっていい。
信じられるのは、どんな人が作ったのかという人となりを知ること。
作り手さんたちを知ることの重要性を、前よりももっともっと意識していきたいと思う今日この頃です。
もとをたどれば、葡萄は自然に還れない不自然なもの。
その中で自然だどうだって話すのも、なんだか(-ω-)ってなっちゃう。