2020年 02月 17日
<有料試飲レビュー>このバッカスがすごかった!
この週末に行った有料試飲では、さっぽろ藤野ワイナリーさん(北海道)を4本ご紹介しました。
まずこの3本。
さっぽろ藤野ワイナリーさんがフラグシップワインと位置付けているシリーズです。
なんてったってワイン名が、
Le Nord (北)、La Mer (海)、 La Route (道) ですから。考えた人すごーい(*'▽')
左から、
Le Nord(赤)
フランス語で「北」を意味するワイン。ブレンドされているツヴァイゲルトがよく効いています。
スパイシーでなめし皮のしっとり奥行きのある風味は、暗い森の下草を連想させませす。
踏み入ったことはないけれど、秋の白樺の森林ってこんな感じなのかなぁ。
La Mer(白)
フランス語で「海」を意味するワイン。ライチ、ジャスミン、青マンゴー、あと青い葡萄の皮を噛んだような、
ほんのりビターでフレッシュな風味。とても芳醇であふれる香りに心おどります。
高い酸にきれいな酒質。たとえば冬の北海道の朝。窓を開けて入ってくるのはこんな空気。
La Route(ロゼ)
フランス語で「道」を意味するワイン。ロゼと言ってもしっかり色がついています。
スパイス、木苺、ハーブなど、さまざまな要素を感じる香りに、紅茶を強く煮出したような風味も。
飲む時間や、一緒に何をいただくかで大きく表情を変えそうな、とても魅力的なワインです。
夏がすぎ、収穫へと向かう北海道の秋はすでに寒さが厳しい・・。でも暖かみを感じるのは、雪の気配を感じるからかな?
そして、この3本と一緒にご紹介したのがこのバッカス2017です。
レモンキャンディー、青りんご、ハーブなどバッカスらしい爽やかな風味と中程度の酸味、
そのあと、レーズンや蜂蜜などの甘やかな(でも爽やかな甘さ)風味が、ふんわりと口いっぱいに広がります。
後半にぐわ~~っとやってくるこの甘さがとてもきれいで、
「バッカスってこんなポテンシャルあったの?!先に教えといてよー!」と言いたくなるくらいの驚きでした。
その驚きの秘密は、収穫時期に現れた貴腐菌の存在。藤野さんのワイン紹介より引用します。
今回のバッカスは熟期後半にボトリティス菌(貴腐菌)がぶどうの房に現れ、
その時のぶどうの健全さやその後の天候も鑑みて、そのまま収穫を予定より引き延ばし待つことにしました。
収穫期にはこれまで見たことないほどの貴腐状態で、
なおかつぶどうの傷みも少ないまま収穫することができました。
なるほど貴腐菌。これも北海道ならではのおもしろさですよね。
初めてドメーヌタカヒコさんて貴腐のついた葡萄を見た時、「えっ!日本でも貴腐ってつくの!?」と驚いたことを思い出します。
北海道ならではの気候の中で育まれる葡萄のポテンシャルを最大限引き出しながら、
様々な表情をもつワインを見せてくれるさっぽろ藤野ワイナリーさんのワインたち。
今度はどんなワインかな??と、いつも嬉しい発見をたくさんくれる大好きなワイナリーです。
by wineID
| 2020-02-17 19:00
| ワインの感想