月夜にワイン

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<健やかであることが、価値を持つ時代に。>Matunei (マトゥネイ)

先日来店されたお客様に、
「イタリアのナチュールありますか??」と言われてハッとしました。
ルカワインには、イタリアのナチュラルワインがとても少ないことを今更ながら気が付いたからです。
ずっと取り扱っている、シチリアのグッチョーネ。
それと、フリウリのダリオプリンチッチ。
あれ、これだけ・・('▽')

イタリアワインにおいて、
「その土地の郷土料理とその土地でできたワインの組み合わせ」への理解は、
他のどの国よりも重要だと思っています。
はじめて行ったイタリアで北の産地から南までを旅しながら、
「ここはマルケ、ここはヴェネト、ここはシチリア・・・」と、
どの土地にいま自分がいるのかを教えてくれたのは、郷土料理でした。
そして、その料理にぴったりはまるその土地でできたワインたち。
私の根っこにあるイタリアワイン観は、この時の感動と共に醸成されました。

そういう思いを根っこに持っていると、
「新しい感性で造られた」「まるでブルゴーニュ!」という謳い文句を持つイタリアワインを
無意識に遠ざけてしまう自分がいます。
まだまだ未熟なワイン人生で何を生意気言っているんだ、と思う方もいるかもしれないですが、
「クラシカルな味わい」であることの尊さを、イタリアワインを飲むたびに感動したいのです。

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そんな時に出会ったのが、このワインでした。
イタリア・ピエモンテで作られるナチュラルワイン、
MATUNEI(マトゥネイ)

「イタリアワインとはこうあるべき!」と固まってしまう私の小さな心を、
ゆっくりと解きほぐしてくれた美しいイタリアワインです。
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今回入荷したのはこちらの3種類の赤ワインです。
左から

地場品種フレイザから作られる個性的な赤ワイン
Dru ドリュ
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フレイザは個人的に好きな品種なので飲む前から期待大!
土っぽいニュアンスを持った品種なのですが、それがとても好み。
ごぼうが好きだからかな?(笑)

フレイザらしい濃い色調に、ややざらつきのあるタンニン。
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ひとくちめは「ちょっとタンニンが気になるかしら」と思いますが、
充実した果実感に見合っているので逆に心地よいくらい。
「がぶっ!」と果実をかじった時のようなみずみずしさがあり
やわらかな印象の赤ワインです。
春を待ってむくむくと動き出す土のような、前向きな明るさがあります◎

品種:フレイザ100%
VT:2017(生産量1931本)


2本目は真ん中の赤。
ネッビオーロ100%で作られるコスパの高いキュヴェ
Bagardo バガルド
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「きれいな果実感」というキャッチフレーズがよく似合うワイン。
噛んで飲みたい!と思えるような噛み応えのある口当たりです。
スミレやバラなど、品のある酸と上品な香りをたたえた立ち姿に
「ネッビオーロってやっぱいいよね」と誰かと顔を見合わせたくなります。
余韻にはほどよくこなれたドライイチヂクなどの柔らかな味わいが
やさしく残ります。

ワイン名のバガルドはジェノヴァの方言で「大胆な少年」の意味だそう。

品種:ネッビオーロ100%
VT:2017+2018年

このワインは、コルクではなく王冠を使用しています。
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3本目は一番右のワイン。
Bagardo R バガルドリゼルヴァ
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今回のワインの中で一番のお気に入り!
ヴィンテージは2015年。えんじがかった色合いに、経てきた時間を想います。
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ネガティブな要素が一切ないワイン。
敵を作らないやさしくやわらかな味わいが心に響くのは、
こういう時代だからでしょうか。ネビオロの美味しさが改めて沁みます。
熟したイチヂク、ドライカカオ、バラの風味とともに、
長く美しい余韻がゆっくりゆっくり広がります。
飲み疲れないやわらかさがとても魅力的な赤ワインです。
ミルクチョコレートとの相性も◎
バレンタインの季節にはとてもよい組み合合わせだと思います。

品種:ネッビオーロ100%
VT:2015年(生産量1123本)

このワイン、コルクもかわいい(*'ω'*)
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■ワイナリーについて
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このワインを作るマトゥネイは、2015年に誕生した小さなファーム(農園)です。
ブドウの他に、オリーブオイルや古代小麦やライ麦などを栽培しています。
アルベルト・ブリニョーロと妻のカルラは、
四季の移ろいの中で仕事と人間が密接に絡み合っていた古来の仕事を通して、
現代人が忘れてしまった人生の瞬間を取り戻しながら、
持続可能な農業の新しい形態を再発見したいという想いから
それまでしていた仕事を辞めて人口100人に満たない小さな村
アルフィアーノ・ナッタのカルドナの丘の耕作放棄地と
古い葡萄畑を引き継いで、アジェンダ・アグリコーラ・マトゥネイを設立しました。

(インポーター資料より引用)


彼らのワインを飲んだ時に、どのワインにも共通して感じたのは「健やかさ」でした。
インポーターさんの資料をじっくり読みながら、
私が感じた健やかさは、作ったご夫婦の生き方そのものを反映しているからだ、
ということに気が付きました。

こういう時代だからこそ、誰かが健やかでいてくれることが大きな力になることがあります。
あの人が元気に暮らしているなら、わたしも頑張ってみようかなと思うような。
このワインには、そんな力があるような気がしました。

「あの時、あなたのワインに元気をもらったんだよ」
いつか、作り手に直接お礼に行けたらいいなと思っています。

時代とともに食生活や私たちの暮らしもかわっていきます。
そんなとき、どういう基準でワインをセレクトしていくことが
ワインショップの正解なのでしょうか。。。。

冒頭で触れた、イタリアワインへの私の考え。
正解はよく分からないけれど一番大切にしなくちゃいけないのは、
”美味しいものを美味しいと素直に想えて、素直に伝えられる”こと。
このイタリアワインとの出会いが、その当たり前を見つめなおす大切な機会をくれた気がします。





by wineID | 2021-02-08 16:04 | ワインの感想